今回は、図形を折る問題を取り上げます。
みなさんは,これまでの生活の中で,折り紙や紙を折る体験をたくさんしてきたと思いますが,折る作業は,図画工作の話で,「数学と,どこで,どのように,関連があるのか?」と疑問に思う人も多いことでしょう。問題をよんだ瞬間に,折る作業と数学は別々のもの,だから解けない。と感じてしまうのが普通だと思います。でも,それではいつになっても苦手なままです。
では,どうすれば,問題を解くことができるようになるのでしょうか?
それには,「折る」という作業を,数学的によみとることが必要です。
ここでは「折り目の線」は「線対称の軸」であるとよみかえるのです。
そして,線対称な図形の性質を本気になって理解します。ことばだけの理解ではダメです。
・図形とともに理解するのです!
【線対称な図形の性質】とその利用
① 正方形ABCDを直線Lで,△ABC≡△ADCとなるように折った線を線対称の軸という。
・Mを線対称の軸としても,考えてみましょう。
② 折って重なるから,△ABC≡△ADC
・だから:対応する角,辺はそれぞれ等しい。
・そこで:折ったものを元に戻し,どの角とどの角が,どの辺とどの辺が等しいか,考える。
・そして:同じ大きさの角,同じ長さの辺に,同じ記号を付ける。
③ BD⊥AC,BP=DP
・だから:△ABP,△ADP,△CBP,△CDPは,直角三角形。
④ ②③を利用し,問題を具体化する!
例えば,「長方形を対角線で折った問題」【練習2】を解く際は,②③に加えて,
・長方形の対辺は互いに平行:錯角・同位角に着目!
・交わる線分:対頂角に着目!
・長方形の1つの角:直角に着目!
・長方形の対辺:等しい辺に着目!
これらを関係付けると,つまり,問題を解くには!
・三角形の合同条件・相似条件,三平方の定理等を使えばよいことに気付く。
①~④の「思考の流れ」を繰り返し練習することで,立体の問題を解く柔軟な力が身に付きます。
それでは,【練習2】に取り組みましょう。
・ポイント:練習用プリントを印刷し,スラスラできるようになるまで繰り返し練習をする。
【注意】画像(図形等)は、ダブルクリックで拡大し、さらにワンクリックで拡大します。
